「開業融資」とは直接関係ないかもしれませんが、実際あった起業相談で、わたしが皆さんにぜひ共有していただきたい実例を掲載します。
起業相談事例
現在、医療機器の商社に勤務しているという26歳の男性
たまたま見つけたエステのフランチャイズに加盟する、という前提で独立したい、とのことで来られました。大学卒業してから4年、サラリーマンで300万円ためたとのこと。
これについてはすばらしい。ここまではいい
しかし・・・・
わたし 「エステ関連の業務のご経験は?」
河合さん「いいえ~ 携わったことはありません」
わたし 「そうですかぁ では男性エステは行かれたことは?」
河合さん「いいえ~ ありません」
わたし 「そうですかぁ ではエステは入ったことがないんですね?」
河合さん「ええまあそうですねー」
う~ん、エステに入ったこともないのかぁ~ ちょっと問題だなぁ~
実は「会計がまったくわからないのでどういう段取りで進めていったらいいのかを教えてほしい」というのが今回の趣旨だったが、ここまで話を聞いて、もうそんなことはどうでもよくなってしまった。
「ホントにその事業成り立つんですか?」という根本のところをツツいていくような会話になっていった。
河合さん「まあエステ経営に関する書籍くらいは何冊か読んだんでが・・・・」
わたし 「エステの店舗をまずいろいろ見ないとダメでしょうね。エステの経営者の生の声を聞いて勉強しないと・・・・」
河合さん「はぁ~」
その後約3時間、いろいろ話ししたが、どう考えてもこのまま開店したのではダメだ。
だいたい、フランチャイズ本部におんぶにだっこ、すべてを頼ろうとしている
河合さん 「フランチャイズ本部のスーパーバイザーに事業計画書を作ってもらったんですよ」
と言いながらそれを見せ始めた。
フムフム、一見それらしく書けてるなぁ~、でも待てよ~・・・・・
わたし「なぜ3ヶ月後に急に売上が伸びていくような計画になってるんですか?」
河合 「広告の効果が出始めるのが3ヶ月後らしいんで・・・」
わたし「う~ん、どうして3ヶ月後に効果が出始めるんでしょうねぇ~
スーパーバイザーにその理由を聞かれましたか?」
河合 「いや、まだ」
わたし「じゃあその広告は今ありますか?」
河合「いや、今は手元にないんですが・・・・」
いったい何を根拠に言っておられるのかさっぱりわからない。
すでに加盟金の着手金まで出してしまっていて店をどこに出すかも決めてしまっていたので、なかなか考え方は変わらない。
「その商品を扱っている加盟店はこの近くにほかにもあるのでしょ?
だったらお友達の女性がいたらその人たちに調査を依頼したらどうですか?
調査といってもたいしたことではないです。お客として入ってもらって、もちろん調査だなんてその店には言わないで、そこのサービスはどうだったのか、また行きたくなるような店だったのかどうか、等々・・・・を細かいチェックリストを元に調べてくるのです。
” 無料でエステ体験させてあげるよ “ って言えばアルバイト料を別途払わなくても来てくれる人はいっぱいいるでしょう。
数人の女性調査員を使って、エステのための実費分と交通費だけでもし10万円くらいかかってしまったとしても、事業を始めるための大事な調査だから、それくらいは安いもんなんじゃないですか!」
河合 (弱々しく)「はぁ、確かにそれはそのとおりですねぇ~」
わたし(う~ん、何を言っても響かないひとだなぁ~)
結局調査シート自体を自分で作れない、ということで、その手伝いをして、調査を実施、
その結果は、やりようによっては何とか経営ができる、という判断にはなった。
しかしここからがまたたいへんで
・資金調達
・店舗のコンセプトづくり
・店員の採用の問題
・広告チラシ作成
等々・・・・
やらないといけないことが山ほどあり、苦難の連続だったのですが、半年後に開業するまでご本人も支援する私もたいへんでした。
店舗を出すなら半端な資金投下ではないので絶対失敗できないはず
事前の調査にしっかり時間をかけてやるべき。
フランチャイズ加盟なら、他フランチャイズ加盟店主からも十分話を聞くべき。それも本部からの紹介ではなく独自に探してアポイントをとって自ら出向いて調査すべき。
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